先日、軽量なキャリパーを購入しました。
軽いし、効きも悪くないし、満足しています。



「次はディスク」なこのご時世、なぜこのようなリムキャリパーを購入したのか

おそらく疑問に思う人もいると思います。
ヒルクライムのために1分1秒を競っているわけではないですし、R8000アルテグラのブレーキ性能で十分に満足していました。

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ニュースと造形を見た時に、「ただそこに魅力を感じたから」でしかありません。
そして、今後そのようなパーツが登場する場は減るのではないかとも思っての購入でした。

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以下は自分の考えではあるのですが、
ディスクブレーキの場合、
制動力:重量:効き方(コントロール性)、各要素を10点満点とした場合

一番上のグレードが10:10:10だとすると、
セカンドグレードは10:9:9
その下のグレードは10:7:7

のようにスコアリングされると思います。
システム上、油圧ディスクブレーキはもともと制動力が10点満点であり、
効き方の調整と軽量化が開発の主体となります。そこでグレード差もつけられると思います。

工業製品としては理想のピラミッドモデルです。どの製品でも安全性が確保されます。

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リムブレーキの場合は、各要素をバランスよく10点に近づけるような開発になっていたと思います。
どこを最重視するかはメーカーによって異なるでしょう。
パーツ単体にかける開発の努力がおそらく大違いな気がします。

強度を保ちながら重量を下げ、制動力を十分に確保しながら、コントローラビリティに優れる。

全ての要素を上手く作らないといけません。
昨今の制動力もコントローラビリティも十分なキャリパーブレーキは各メーカーの努力の結晶ではないかと思います。

キャリパーの造形や構造からも創意工夫や、それを目で見て感じられる芸術性もあると思いませんか?

Campagnolo-Super-Record
P-BR-R9110-F

私は現時点で油圧のディスクキャリパーに対して造形に何かを感じることがありません。
機械的なシステムそのものにしか感じられないのです。

ロードバイクにおいて、ディスクブレーキが浸透し普及していくにつれ、このような工夫を凝らして作られたキャリパーというのは無くなっていくのだろうなと思いました。

性能や安全性を重視するのも当然ですが、
趣味で楽しむ以上、最低限のそれを確保した上で見た目や自分のこだわりを貫くというスタンスも大切にしていいと思います。

性能が上がれど製品に情熱や芸術性が失われていくようなことが無く、工夫やセンスを取り入れたサードパーティ製のパーツが選択肢として残れる状況はあるのか、
「コンポーネント」として単一メーカーでアッセンブリを選ぶしかない時代になるのか、
この先のパーツ選びの楽しみというのはどのように変化していくのか、気になるところです。