記事をあさっていたら、こんなバイクを見つけました。
これ、アルミバイクなんです。

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https://www.cyclingweekly.com/reviews/road-bikes/tresca-tca-1
Treskaという新興メーカーです。
・拠点はイギリスのロンドン
・工業デザイナー、宇宙航空技術者、自転車整備士、会計士で立ち上げ
・パフォーマンスと最適化したビジネスモデルで大手ブランドへチャレンジ
・価格を抑えるために、3つのサイズ、3つのビルドオプション、ただ1つのペイントのみを用意



105搭載のモデルは、明らかにspecialized Allez sprintとTREK EMONDA ALRを意識している模様。
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意識されている競合たち

(記事には書いてないけど、CAADも忘れてはいけない
Cannondale-CAAD13-105


Treskaの目標は「究極のアルミバイク」を作ること。
そのために実行したことは
・マーケットリーダーのフレームを3Dモデリングでシミュレーションし、一般的なエンジニアツールであるFEM(Finite Element Modeling)で一連のテストを実施
・競合他社のフレームのベース値を取得したら、全ての分野でそれを越えることを目標に自社のフレームをデザイン、テストを行う

という手法をとったようです。
0から設計というのはリソースが限られている新興ブランドに期待できる方法ではありません。
設計は全て自社で行い、製造は台湾。

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タイヤに沿ったエアロバルジ、オフセットされたシートステー、シーチューブは端にいくにつれ、平らになっていて、一見カーボンのような複雑な構造です。

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シートポストは細い25.4mmで、剛性の高いペダリングを和らげ、快適性を向上させます(通常のシートポストは27.2mm)。
テーパードヘッドチューブはステアリングの剛性のため。
全て緻密に計画され、テストされています。

ケーブルも内装式。チェーンステーのギリギリまで隠れてます。
BBはBSA
軽量なリムブレーキモデルのみ

カラーが最小限の黒と地銀なのは、ハイクオリティな溶接跡を見せるためではなく、安価なカーボンフレームと間違えられないようにするため。
個性の欠如に対抗する産業的美学らしい。



Treskaのバイクの乗り心地は、そんなハイドロフォーミングよりも個性があります。
ジオメトリーはレース向け。
DT SWISSのSpline P1800はリアドロップアウトのセンターに位置していない(テストフレームであって製品版は修正されている模様。(まあ英国人は歴史的に嘘つきだからわからないが))。

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25mmのタイヤはチェーンステーの内側数mmで、登りで擦らないかと心配したが、後ろの小さいリア三角はタイヤを支えるのに十分な剛性だった。
105仕様の重量はわずか7.71kgで、優れた動力伝達と相まって登りで非常に優れている。
起伏のある道路では978mmのホイールベースがいい反応をしていた。
14%の下りは湿っていたこともあってプッシュしなかったが、フロントエンドはソリッドでダイレクトで安心できると感じた。
とのこと。

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乗り心地については、ドロップドシートステーと細いカーボンシートポストが上手く機能する。
全体的な感覚は、ラグジュアリーな乗り心地ではなく、道路とスポーティにつながっている感覚。
この価格帯での”endurance”バイクは応答性を犠牲にして柔らかさを優先しているものが一般的だけど、Treskaはそのようなものではなく、レース用のバイクのように感じます。剛性と快適性のバランスがちょうどいい。
とのこと。

総評
Cycling  weekly誌評価 8/10
このバイクは、データを使ったパフォーマンス主導の革新的なフレームで、軽量で高速、レースに適しています。
また、非常に競争力のある価格であり、間違いなく望ましいブリティッシュブランドのバイクである。
究極のアルミバイクかどうかは各ライダーの乗り心地やハンドリングの感じ方にもよりますが、
速くてパンチのある乗り心地はクラス最高のものであるだろう。

いい点
・レーシーな乗り心地
・軽量
・ブリティッシュブランド

悪い点
・少しつまらない塗装

Details
Frame: Tresca TCA-1
Fork: Tresca carbon
Sizes: S, M, L
Groupset: Shimano 105
Wheels: DT Swiss P1800 Spline
Tyres: Continental Grand Sport 25mm
Bar: Fizik Cyrano R5 Chameleon
Stem: Fizik Cyrano R5
Seatpost: FSA SL-K 25.4mm
Saddle: Fizik Antares R5
Weight: 7.71kg

ジオメトリはこちらを参考に
https://trescabikes.com/shop/

価格はフレームセット(!)で850ポンド。だいたい11万円。
105にDT SWISS SplineP1800仕様が1600ポンド。だいたい21万円。
UltegraにPR1400 で2400ポンド。
DuraAce にPRC1400で3500ポンドです。


評価はかなり良さげですが、同誌のレビューだと、Allez Sprintは9/10, EMONDA ALRは 10/10なんですよね。劣る点がどこかというのが書かれてないので数字だけでは判別できませんが、グレードのかなり高いアルミバイクであることは間違いなさそうですな。
105仕様で7.71kgだから、パーツ変えたり上のグレードは簡単にアンダー7.5kg狙えそうですね